世界の文化における幸運のお守りと不運の前兆 -

世界中の人々は、お守りやアクセサリー、おまじないを使って幸運を高めるようとしてきた。実は、文化や国ごとに、幸運や幸運をもたらすとされるシンボルや習慣は異なる。同様に、多くの人が不幸や不運の前兆だと信じている幻影やサインもある。あなたは迷信を信じるタイプだろうか？

このギャラリーをクリックして、世界中の幸運のお守りや不運の前兆を見てみよう。

© Getty Images

不運の前兆：はしごの下を歩く、イギリス -

はしごの下を歩くことは、中世イングランドの陰惨なイメージと結びついている。有罪判決を受けた犯罪者は、絞首刑に処される前に、絞首台に似たはしごの下を歩かされた。今日でも、壁に立てかけられたはしごの下を歩くと不運が訪れると考えられている。

© Getty Images

幸運のお守り：ウサギの足、世界中 -

ウサギの足は世界中で幸運のお守りとして知られている。ケルト人は、穴を掘るウサギは地中深くに生息し、精霊と会話できると信じていた。さらに、ウサギは繁殖力が非常に強いことで有名であり、誕生および再生と深く結び付けられてきた。

© Shutterstock 

不運の前兆：割れた鏡、インド -

インドでもロシアでも、割れた鏡に映った自分の姿を見ると縁起が悪いとされている。しかし、それが7年間の不運をもたらすという考えを私たちに与えたのはローマ人である。彼らは、その期間が生命を再生するのにかかる信じていた。一方、インドでは、不運を追い払う賢い方法として、破片を満月の光の下に埋めたり、触れる前に7時間待つなどがある。

© Shutterstock

幸運のお守り：どんぐり、イギリス -

イギリスでは、どんぐりを所持すると幸運のお守りになるとされている。中世にまで遡るこのお守りは、オークの木がどんぐりから成長するという事実に根ざしている。そのため、どんぐりの実は常に成長、希望、そして新しい生命と結び付けられてきた。

© Shutterstock 

不運の前兆：数字の4、中国 -

テトラフォビアとは、数字の4を避ける習慣である。東アジア諸国で最もよく見られる迷信である。上海の多くのエレベーター制御盤には4階の番号が書かれていない。これは、中国語で「4」と「死」の発音が非常に似ているためである。

© Shutterstock

幸運のお守り：トゥミ、ペルー -

ペルーでは、壁にトゥミをかけると幸運が訪れるとされている。トゥミは装飾的な斧で、インカ以前の文化までに遡り、未来を予言するために太陽神宮に動物を捧げる際に使用されていた。

© Shutterstock 

不運の前兆：屋内で傘を開く、エジプト -

伝説によると、古代エジプト人は、太陽から離れた屋内で日傘を開くことは太陽神を怒らせる無礼な行為であると信じていた。今日でも多くのエジプト人は、家の中で傘を開くことに関してこの迷信を信じている。

© Shutterstock 

幸運のお守り：ネネットとランタンタン、フランス -

ネネットとランタンタンは、もともとは20世紀初頭にフランスで初めて作られた子供向けのおもちゃの人形だったが、後にフランス軍兵士に幸運のお守りとして贈られたり、第一次世界大戦の襲撃から身を守るためにパリの人々が身に付けたりした。それ以来ずっと人気があるが、幸運を保つためには、人形は決して自分で購入せずに贈りものとして受け取るだけにしよう。そうしないと、人形の守護力が失われてしまうのだ。

© Getty Images

幸運のお守り：ナザール、トルコ -

ナザールという言葉は、視力を意味するアラビア語に由来している。しかし、トルコでは「ナザール」は不運、または邪悪と解釈される。お守り、通常はビーズで飾られた青い宝石を身に着けることは悪人から身を守る役割を果たす。

© Shutterstock 

不運の前兆：カラス、ギリシャ -

ギリシャ神話では、カラスは予言の神アポロと関連づけられている。カラスは不運の象徴であり、現世における神の使者であると言われている。一部の地域では、カラスを一羽見るだけでも不運が訪れるサインとみなされる。

© Shutterstock 

幸運のお守り：招き猫、日本 -

招き猫は、持ち主に幸運をもたらすとよく信じられている、日本のあちこちで見かける置物だ。お守りとして使われるようになったのは、1603年から1868年までの江戸時代まで遡る。左前足を上げている猫は、金運と繁栄をもたらすと言われている。

© Shutterstock 

不運の前兆：塩入れをひっくり返す、アゼルバイジャン -

西洋文化では、塩をこぼすと不幸が訪れる前触れという迷信があり、この考えは古代ローマにまで遡る。肩越しに塩をひとつまみ投げると呪いが解けると言われているが、アゼルバイジャンではこの失敗が喧嘩の始まりにつながることだってあるのだ。この問題を解決するには、こぼした塩に砂糖をかけて、掃除するまでそのままにしておくことである。

© Shutterstock 

幸運のお守り：笑い仏、インドとタイ -

笑い仏は、その姿勢によって、幸運、繁栄、幸福、あるいはその両方をもたらすと言われている。お腹を大きく突き出したこの笑顔の仏像を家に飾る人は多く、その幸運が他の人にも伝わるように、毎日この仏像を撫でなければいけない。笑い仏は、1,000年以上前に生きた中国の禅僧をモデルにしている。

© Shutterstock

不運の前兆：鍵をテーブルの上に置く、スウェーデン -

スウェーデンでは、鍵をテーブルの上に置いてはいけない。それはとても縁起が悪いと考えられているのだ。この迷信の起源は、昔、売春婦が鍵をテーブルに置くことで、自分が空いていることを示していたことに由来している。

© Shutterstock 

幸運のお守り：馬蹄型、アメリカ -

幸運のシンボルとしての馬蹄の起源については、多くの説がある。たとえば、鍛冶屋は幸運の職業と考えられていたため、馬蹄は幸運の象徴と考えられていた。同様に、鉄は火に耐えられるため、魔法の力があると考えられていた。一般的に、馬蹄の先端は上を向いているべきだと多くの人が信じており、この向きにすると幸運を捕らえて集めると言われている。馬蹄は米国全土のドアにかけられているのがよく見られるが、古代イスラム美術やエジプトの図像にも見られる。

© Shutterstock 

不運の前兆：赤ちゃんをほめる、セルビア -

セルビアでは、赤ちゃんを褒めると不運を招くそうだ。奇妙なことに、その代わりに生まれたばかりの赤ちゃんを醜いと言わなければならない。何か良いことを言うと、赤ちゃんは邪悪な目にさらされる。セルビアの迷信は、高齢者が住む田舎の地域を中心に、今でも文化に影響を与え続けている。こうした文化的迷信の多くは、9世紀にまで遡って築かれたものである。

© Shutterstock 

幸運のお守り：ハムサ、イスラエル／中東 -

ハムサは、中東全域のユダヤ教徒とイスラム教徒のコミュニティで人気の手のひら型のお守りだ。開いた右手を描いているが、これは何千年もの間、負のエネルギーから身を守る印として認識され、使われてきた。手の上の目は、全てを見通す目、そして見る人を監視する目を表している。

© Shutterstock 

不運の前兆：黒猫、イタリア -

中世の魔術の時代から、黒猫は悪魔や邪悪と結び付けられてきた。人々は黒猫が魔女の邪悪な行いを手助けすると信じていた。また、魔女は黒猫に変身して影に潜み、通行人に魔法をかけるとも信じられていた。今日でも、黒猫と魔女の神話は根強く残っており、特にハロウィンの時期にはそれが顕著である。そして例えばイタリアでは、黒猫が道を横切るのは不運を招くと言う迷信が一般的である。実際、英国のテレグラフ紙の報道によると、有力な動物愛護団体は、黒猫が不運をもたらすと信じるイタリア人によって、毎年6万匹の黒猫が殺されていると推定される。

© Shutterstock 

不運の前兆：クイナの鳴き声を聞く、ニュージーランド -

ニュージーランドでは、かつては右肩越しにバイヨンのクイナとも呼ばれる沼地のクイナの鳴き声を聞くと幸運が訪れると考えられていた。しかし、左型越しにその鳥の鳴き声を聞くと「クルック・トロット」と呼ばれる不運を招くとされていた。これはニュージーランド／オーストラリアの古い俗語で不運を意味する。

© Getty Images

幸運のお守り：四葉のクローバー、アイルランド -

四葉のクローバーが見つかる確率が約10,000分の1であると言う単純な事実から、幸運をもたらすと考えられているこのよく知られた幸運のお守りのシンボルは、1640年にはすでにそのように言及されていた。4つの葉は、信仰、希望、幸運、愛を象徴している。

© Shutterstock 

不運の前兆：13日の金曜日、アメリカ -

13日の金曜日は西洋の迷信では不吉な日とされており、特に米国ではその傾向が強い。この日を題材にした映画も作られている。この日は長い間、不運の前兆とされてきた。しかし、なぜだろう？理由の一つは、金曜日と13と言う数字はどちらもキリスト教と厄介な関係にあるということだ。イエスが十字架にかけられたのは金曜日だった。米国では、最後の晩餐にイエスを含む13人の客が出席し、そのうちの一人であるユダがイエスを裏切ったことから、夕食の席に13人の客を招いてはならないという暗黙のルールがあった。

© Shutterstock 

幸運のお守り：ダーラヘスト、スウェーデン -

ダーラヘストは、スウェーデンのダーラナ地方（ダーラカリア）に由来する、伝統的な木彫りと彩色が施された馬の像である。子供のおもちゃとして作られたダーラヘストは、幸運の象徴ともみなされており、この馬のお守りを持っている人に強さと威厳をもたらすと言われている。

© Getty Images

不運の前兆：貧乏揺すり、韓国 -

韓国では、貧乏揺すりをしてはいけないと言われている。貧乏揺すりをすると富と幸運が失われるからである。この文化的信仰は何世紀も前から続いており、少なくとも、人々が個人的にも公共の場でも足を揺することを思いとどまらせている。

© Shutterstock 

幸運のお守り：ジンチャン、中国 -

金蛙、または「金色のヒキガエル」は、風水では繁栄を祈願する人気のお守りである。足が3本しかなく、口にコインを咥えてコインの山の上に座っているこの赤い目をした伝説のカエルは、中国の伝説にまで遡ることができる。

© Shutterstock 

不運の前兆：お金の手渡し、タジキスタン -

迷信というよりは文化的な慣習だが、タジキスタンではお金の手渡しは失礼で縁起が悪いとされている。これは性労働者で取引を成立させるために使う支払い方法と同じだ。鍵やペン、ハサミなどの品物についても同様だ。これはテーブルの上に置いて、2人目の人が拾わなければならない。

© Shutterstock 

幸運のお守り：豚、ドイツ -

ドイツでは、幸運はマジパンの豚の形で送られることが多い。これは「幸運の豚」とも呼ばれ、多産と関連づけられている。豚とよく結び付けられるもう一つの一般的な結びつきは富である（豚の貯金箱にコインを入れる人々を見ればわかるだろう）。「幸運の豚」の痕跡は、中世後期のボードゲームやカードゲームに見られる。今日では、新年を中心に、幸運を祈るカードによく描かれている。

© Shutterstock 

不運の前兆：ワインとスイカを混ぜる、アルゼンチン -

ワインとスイカの組み合わせは、珍しいデザートの組み合わせである。しかし、アルゼンチンでは、赤ワインを飲みながらスイカを食べると死ぬと信じられている。この2つを組み合わせると、果物がお腹の中で石に変わるという理論だ。おそらく昔からの言い伝えだろうが、確かに胃の不調につながる可能性がある。

© Shutterstock

幸運のお守り：ベゾアール、スペイン -

ベゾアールは、ヤギ、ラマ、シカ、ヒツジなどの動物の胃の内壁に形成されることがある、硬くなった真珠のような消化できない物質の塊である。中世の人々は、ベゾアールにはあらゆる毒に対する万能の解読剤としての力があると信じていた。そのため、この指輪のようにベゾアールを身に着けることは幸運の象徴とされていた。薬用品としてのベゾアールに関する最も古い記述は10世紀のイベリア半島にある。

© Public Domain 

不運の前兆：「誕生日おめでとう」を早く言いすぎてはいけない、ロシア -

ロシアでは、誕生日当日まで誕生日を祝ってはいけない。当日祝えない場合は、不運を避けるために後日まで待とう。昔は、誕生日の前夜は最も弱り、病気や事故に遭いやすいと信じられていた。そのため、前もって祝って天使を怒らせない方が良いのだ。

© Shutterstock